学内講座コード:2421G101
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主催:
東京都立大学オープンユニバーシティ [ 東京都立大学 オンライン講座 (オンライン) ]
講座名:
【オンライン】人類学「再」前線 ~いま、人類学の可能性について考える~
申し込み締切:
2024年07月03日 (水) 23:30
開催日時:
2024年7月13日(土)~2024年10月5日(土)/14:00~15:30
入学金:
3,000円
受講料:
16,000円
定員:
60名
講座回数:
8回
講座区分:
前期
その他:
補足:
-
【講座内容】
人類学「再」前線
~いま、人類学の可能性について考える~
東京都立大学オープンユニバーシティでは、オンライン スペシャル講座を開講いたします。オンラインならではの特性を活かし、全国の様々な研究者や専門家が登壇し、ユニークかつ興味深い講座を提供します。
今回は、人類の多様性を研究する学問である「人類学」がテーマです。異常気象やイデオロギー・宗教観の違いによる紛争など危機に直面する世界において、人類学が果たす役割についても考えます。
人間とはとても興味深い「種」です。地球上のすべての人々が、ホモ・サピエンスというひとつの種に属しながらも、地域や国などによって実に多様な考え方や生き様があり、またそれがゆえにすれ違ったり衝突したりすることもあります。グローバルな次元での共通価値を追い求める動きも活発に続けられてきていますが、近年の世界の動向をみるにつけ、その試みは必ずしも成功しているようには見えません。
こうした人間の「性(さが)」を長い間見つめ、またそれについて草の根レベルで問い続けてきたのが人類学です。人類学は人間を多様性と普遍性の双方、あるいはその間の関係から理解しようとします。そのための代表的な手法がフィールドワークであり、人類学者は世界各地に赴いて人々と暮らしを共にし、人々の生の声に耳を傾けつつ、常に変わっていく世界と私たちが向き合うための方法論や視点を提供してきました。いわゆる伝統的な社会に関する研究であると思われがちですが、現代の人類学は、先進国の都市社会の動向、大企業やスタートアップ企業についての研究まで幅広く行います。単に哲学的な思索に身を委ねるだけでなく、社会を能動的に変えていくための提言やコンサルティングを行うこともあります。
本講座では、「人類学「再」前線」と題して、東京都立大学社会人類学研究室の教員を中心とした様々な地域や分野の専門家が、多彩な視点から人類学の現在位置について講義します。コンテンツ自体の新旧にかかわらず、それぞれがいま最も伝えたいことを中心に講義内容を組み立てる。
だからこそ「「再」前線」です。
※東京都立大学 社会人類学研究室は1953年に設置された日本で最も歴史のある人類学研究室であり、70年をこえる歴史のなかで育んできた研究成果の還元に努めています。
【講座スケジュール】
第1回 2024年07月13日(土) はじめに 人類学という<仕掛け>
文化⼈類学は「文化」という観点から⼈間の多様性について徹底的に考え抜き、「⼈間とは何か」という普遍的な疑問に対する答えをアップデートし続けるための<知的仕掛け>です。第1回では、⼈類学的なものの⾒方の現在地について、具体例を踏まえつつ詳しく紹介します。
第2回 2024年07月20日(土) 先住⺠から⾒る現代世界
先住⺠の視点から現代世界を考えることは、私たちがあたりまえと思っていることを相対化し、逃れられないと感じていることを別角度から捉え直すことに他なりません。過去に⽴脚し未来を⾒据える先住⺠について、グローバルな動向にも注意しながら、NZマオリの事例を中⼼に紹介します。
第3回 2024年07月27日(土) 日常の⾷の人類学「世界の⾷卓から社会を⾒る」
台所に⼊り、家庭の⾷卓に上る料理をじっと⾒つめると、それを取り巻く歴史的背景や国際経済や環境問題など、社会につながるさまざまな話題が⾒えてきます。この講義では、世界の家庭の台所でのフィールドワークをもとに、⾷を通して各国の社会で起こっている話題をお伝えします。
第4回 2024年08月03日(土) 文化人類学から考えるこれからの家族と親族
⼈類史において家族と親族は⻑らく社会の基本単位でしたが、「脱家族化」という⾔葉に象徴されるように、現代社会ではそのあり方が問い直されています。この講義では、私たちと同時代を生きるミクロネシアの⼈々の家族・親族とのつきあい方から、これからの家族や親族の形を考えます。
第5回 2024年09月14日(土) ポスト世俗化時代の<宗教>――習近平体制下の宗教中国化から読み解く
近年、習近平体制下では中華⺠族共同体の構築が模索され、その一環として宗教中国化が強⾏されています。本講義では、現代中国の政教分離を紹介しながら、<宗教>と<世俗>といった概念が世界各地に波及したことの意味を宗教⼈類学的視点から再考します。
第6回 2024年09月21日(土) 景観人類学とは何か
⼈類学はその名の通り⼈類(⼈間)を対象とする学問ですが、最近は非⼈間との関係にも注目が集まっています。我々は景観に囲まれて暮らしています。景観から⼈間の⼼理・社会・文化を理解する知的探求⼼を、ワールドワイドにお伝えします。
第7回 2024年09月28日(土) 文化人類学で読み解く資本主義とそのフロンティア
社会問題となっている地球温暖化や格差の拡⼤。資本主義はこれらの原因とされがちですが、果たして単一の論理で批判されうる「一つの資本主義」など実在するのでしょうか。資本主義が安易な仮想敵にされる時に⾒落とされているその本質について、文化⼈類学のミクロな視点から検討します。
第8回 2024年10月05日(土) 待つことを知る社会へ:法人類学とアフリカ⺠族誌からの提⾔
東アフリカのある⺠族社会では、調停困難な意⾒対⽴が生じると、即効性のない呪物を使い、時間をかけて解決を図ります。それは、⾃らの成⻑と周囲の環境変化のなかで新しい理解が得られる未来に現在を開くことです。本講義では、「待つこと」を例題に⼈間精神の普遍性の在処を探ります。
※アーカイブ配信(録画:7日間限定)も視聴できます。
※高校生は専用ページからお申し込みください。
単位数:2単位
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
名前 | 綾部真雄 |
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肩書き | 東京都立大学 社会人類学研究室 教授、博士(社会人類学) |
プロフィール | 博士(社会人類学)。 筑波大学第二学群比較文化学類卒。東京都立大学大学院社会科学研究科博士前期課程修了。チェンマイ大学社会学部客員研究員を経て、東京都立大学大学院社会科学研究科博士後期課程単位取得退学。成蹊大学文学部国際文化学科専任講師、助教授を経て、東京都立大学大学院人文科学研究科教授。文化(社会)人類学、タイ少数民族研究、エスニック・セキュリティ研究を専門とする。 主な著作に『タイを知るための72章』(明石書店)、『詳論文化人類学』(ミネルヴァ書房)、『私と世界』(メディア総合研究所)、翻訳に『イニシエーション』(弘文堂)など。2023年に上梓した『フィールドから地球を学ぶ-地理授業のための60のエピソード』(古今書院)で2023年度(第3回)日本地理教育学会出版文化賞を受賞。 |
名前 | 深山直子 |
肩書き | 東京都立大学 社会人類学研究室 准教授 |
プロフィール | 人文社会学部所属。専門は社会人類学、先住民研究、オセアニア地域研究。近年の共編著に『考えてみよう先住民族と法』(信山社 2022)、『先住民からみる現代世界』(昭和堂 2018)。 |
名前 | 岡根谷実里 |
肩書き | 世界の台所探検家、修士(工学:東京大学) |
プロフィール | 東京大学大学院工学系研究科修士 修了後、クックパッド株式会社に勤務し、独立。 世界各地の家庭の台所を訪れて一緒に料理をし、料理を通して見える暮らしや社会の様子を発信している。 講演・執筆・研究のほか、全国の小中高校への出張授業も実施。訪問国/地域は60以上。 立命館大学BKC社系機構客員協力研究員、大阪大学感染症総合教育研究拠点(CIDER)連携研究員。 著書に『世界の台所探検 料理から暮らしと社会がみえる』(青幻舎)、翻訳絵本『世界の国からいただきます!』(河出書房新社)など。 2023年4月に『世界の食卓から世界が見える』(大和書房)を上梓。 |
名前 | 澤井充生 |
肩書き | 東京都立大学 社会人類学研究室 助教 |
プロフィール | 東京都立大学 社会人類学研究室 助教 専門は社会人類学、中国研究、回族研究、イスラーム地域研究。関心テーマは、現代中国における少数民族の「住民自治」、党・国家・社会関係、「宗教復興」など。主な業績に「中国の宗教政策と回族の清真寺管理運営制度――寧夏回族自治区銀川市の事例から」(『イスラム世界』第59号、2002年)、「中国共産党のイスラーム政策の過去と現在――寧夏回族自治区銀川市の事例」(『中国における社会主義的近代化』、2010年)。 |
名前 | 大川内直子 |
肩書き | 株式会社アイデアファンド 代表取締役、修士(学術:東京大学) |
プロフィール | |
名前 | 石田慎一郎 |
肩書き | 東京都立大学 社会人類学研究室 教授 |
プロフィール | 専門は法人類学。農村と裁判所での調査をもとにケニアの多元的法体制について研究してきた。最近は、オルタナティブ・ジャスティスの比較研究に着手している。主な著書に『アフリカの人間開発』(共編著、2008年3月)、『グローバル世界の法文化』(共編著、2009年8月)、『オルタナティブ・ジャスティス』(編著、2011年4月)、『文化としての法』(監訳、2011年5月)。 |
名前 | 河野正治 |
肩書き | 東京都⽴⼤学 社会⼈類学研究室 准教授 |
プロフィール | |
名前 | 河合洋尚 |
肩書き | 東京都⽴⼤学 社会⼈類学研究室 准教授 |
プロフィール |
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