学内講座コード:340405
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主催:
早稲田大学エクステンションセンター [ 早稲田大学エクステンションセンター 中野校 (東京都) ]
講座名:
寺山修司、その歌の秘密
申し込み締切:
2017年01月14日 (土) 23:30
開催日時:
1月21日(土)~ 3月11日(土)/13:00~14:30
入学金:
8,000円
受講料:
11,826円
定員:
30名
講座回数:
5回
講座区分:
後期
その他:
ビジター価格 13,608円
補足:
-
【目標】
短歌から出発した寺山修司は、その「私性の拡散と回収」という方法をもって、文芸、放送、映画、演劇とあらゆるジャンルにその才能を発揮、現代芸術を席巻し、烈しく時代を挑発し続けた。本講座では、未発表歌集『月蝕書簡』を読み解きながら、その表現の秘密を探り、その虚構と真実に迫る。過去は抹殺すべきか、再生すべきか。実際に起こらなかったことも、歴史のうちであるのか。私たちにとって「記憶の修正」は、はたして可能であるのか?
【講義概要】
寺山修司の最期の言葉はこうだ。「私は肝硬変で死ぬだろう」「だからと言って墓は建てて欲しくはない。私の墓は、私のことばであれば充分」。そう、言葉は人の体の中で、根を張り枝を育て葉を繁らせてゆく。与えられた命を豊かに稔らせてゆくもの、それが言葉だ。生前の寺山と交流、死後は「寺山修司追悼短歌絶叫コンサート〈望郷〉」を毎年開催する講師が、その来歴に併走しつつ、寺山が遺した歌の数々を丁寧に読み解いてゆく。毎回テキストを配付。
[第1回]『月蝕書簡』其ノ一
面売りの面のなかより買い来たる笑いながらに燃やされにけり
――誕生から死に至までの、その実人生の来歴を通して寺山修司の虚像と実像に迫る。
[第2回]『月蝕書簡』其ノ二
青ざめしわがくすり指青森の小学校の吸血鬼いずこ
――寺山少年が書き遺した新資料を手がかりに寺山芸術誕生の、不幸の秘密を探る。
[第3回]『月蝕書簡』其ノ三
ビー玉一つ失くしてきたるおとうとが目を洗いいる春のたそがれ
――病室で過ごした孤独な青年期、処女歌集『空には本』の裏表紙を羽撃く歌の翼!
[第4回]『月蝕書簡』其ノ四
つむりたるわが目蛍となりゆきて夢に情死の母を見にゆく
――歌集『血と麦』『田園に死す』を通して、寺山が発した「私とは誰か?」に肉迫する。
[第5回]『月蝕書簡』其ノ五
父に似し腹話術師の去りしあと街のかたちにたそがれも消ゆ
――未刊歌集『テーブルの上の荒野』、最終詩「懐かしのわが家」、非在の家族譚『月蝕書簡』を通して、その生涯の夢と出会う。
名前 | 福島 泰樹 |
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肩書き | 歌人、文芸評論家 |
プロフィール | 早稲田大学第一文学部卒業。『バリケード・一九六六年二月』から『哀悼』まで歌集29冊の他、著書に『福島泰樹全歌集』(河出書房新社)、『寺山修司 死と生の履歴書』(彩流社)など多数。肉声の回復を求めて「短歌絶叫コンサート」を創出、1500ステージをこなす。 |
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