学内講座コード:2511G103
この講座について質問する主催:
東京都立大学オープンユニバーシティ [ 東京都立大学 オンライン講座 (オンライン) ]
講座名:
【オンライン】キース・ヘリングの遺志を受け継ぐ美術館活動
申し込み締切:
2025年04月12日 (土) 23:30
開催日時:
2025年4月22日(火)~2025年4月22日(火)/18:30~20:00
入学金:
3,000円
受講料:
3,000円
定員:
50名
講座回数:
1回
講座区分:
1回もの
その他:
補足:
-
【講座内容】
日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ
中村キース・へリング美術館
2021年春期より「日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ」講座を実施しています。北海道から沖縄まで、日本全国の魅力ある個性的なミュージアムの学芸員や研究員が講師を担当し、オンラインでコレクションや企画展について解説します。今期は山梨県小淵沢の「中村キース・へリング美術館」です。子どもから大人まで人気のキース・へリングですが、多摩での子どもたちとのアートイベントや広島訪問など日本とのつながりは深く、平和と自由をテーマに活動したへリングの足跡や作品について、詳しく解説していただきます。
中村キース・ヘリング美術館は、2007年に山梨県北杜市小淵沢町で開館した、キース・ヘリング(1958-1990)の作品を専門に扱う世界で唯一の美術館です。
明るく軽快な作風で知られるヘリングの作品は、多くの方にとって一度は目にしたことのあるものでしょう。1980年代初頭にニューヨークの地下鉄で行われたプロジェクト「サブウェイ・ドローイング」により一躍有名となったヘリングは、ニューヨークを拠点に世界各地を飛び回りながら個展や作品制作を行いました。1988年に「エイズ」と診断され、1990年に31歳の若さでこの世を去るまで、ヘリングはアーティストとして国際的に活躍するだけでなく、アクティビストとしても、アートを通じて平和や自由、平等の重要性を訴え続けました。その表現は、没後30年以上経った今でも色あせることなく、社会に大きな影響を与え続けています。
当館は、八ヶ岳南麓の豊かな自然の中で、ヘリングの作品と深く向き合い、対話する場として、館長でありコレクターでもある中村和男によって設立されました。作品や写真、資料など、1000点を超えるコレクションを基に、ヘリングのアートと幅広い活動を紹介する展覧会を館内外で開催しています。
当館の活動は作品展示だけにとどまらず、HIV・エイズの正しい理解の促進、LGBTQ+コミュニティの支援、子どもたちの健やかな成長を目的とした活動を通してヘリングの遺志を継承しながら、環境問題をはじめとする現代社会が抱える課題に対して積極的に向き合う企画を展開しています。
1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・ヘリング(1958-1990)。ヘリングは多彩な表現手法を用いて作品を制作しました。彼にとって「支持体」(作品を描いたり作ったりするための土台や基盤となる素材)は、紙やキャンバスにとどまらず、服や車、街そのものでもありました。また、作品を展示する「場所」も美術館やギャラリーだけではなく、学校や小児病院、公園など、作品のコンセプトに合う場所を選びました。ヘリングはアーティストや写真家、ダンサーとのコラボレーションはもちろんのこと、子どもたちとも作品を制作しました。日本では、1987年に文化複合施設「パルテノン多摩」の開館記念イベントのため東京都多摩市を訪れ、500人の子どもたちと共に壁画や立体作品を制作しました。こうした活動の根底には、「アートはすべての人のために」というヘリングの哲学がありました。1990年、ヘリングはエイズによる合併症のため、31歳という若さでこの世を去りましたが、彼の哲学は作品を通して時代を超え今もなお社会にインパクトを与え続けています。
世界で唯一のキース・ヘリング専門の美術館である中村キース・ヘリング美術館では、館⻑でありコレクターでもある中村和男が収集した作品を通して、ヘリングの幅広い活動を紹介しています。本講座では、アーティストの生涯を振り返りつつ、オンラインでの作品鑑賞を交えながら、ヘリングの哲学とそれを継承する美術館の取り組みについてご紹介します。
【講座スケジュール】
第1回 2025年04月22日(火)
※アーカイブ配信(録画:7日間限定)視聴も可能です。
※高校生は専用ページからお申し込みください。
■特別展示
「Keith Haring: Into 2025 誰がそれをのぞむのか」
2024年6月1日(土)-2025年5月18日(日)
会場:中村キース・ヘリング美術館
1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・ヘリング(1958-1990)。明るく軽快な作風で知られる一方、彼の作品の根底には社会を鋭く洞察する眼差しがありました。中村キース・ヘリング美術館が2024年度の企画展として開催する本展は、時にユーモラスに、時に辛辣に社会を描写し、その行く末を大衆に問いかけ、平和と自由へのメッセージを送り続けたヘリングの姿を紹介するものです。
単位数:1単位
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
名前 | 田中 今子 |
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肩書き | 中村キース・ヘリング美術館 学芸員 |
プロフィール | 1991年、⻑崎県の五島列島⽣まれ。私設美術館の⽴ち上げを経て、2017年より中村キース・ヘリング美術館にて学芸員として勤務。 主な展覧会として「中村キース・ヘリング美術館開館15周年記念展:混沌と希望」(2022年)、「ハウス・オブ・フィールド」(2023年)、 「Keith Haring: Into 2025 誰がそれをのぞむのか」(2024年)などを担当。展覧会企画のほか、社会活動や教育普及活動に従事。 |
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