学内講座コード:2511T003
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主催:
東京都立大学オープンユニバーシティ [ 東京都立大学 飯田橋キャンパス (東京都) ]
講座名:
田沼意次と田沼時代
申し込み締切:
2025年04月27日 (日) 23:30
開催日時:
2025年5月7日(水)~2025年5月28日(水)/18:30~20:00
入学金:
3,000円
受講料:
10,100円
定員:
15名
講座回数:
4回
講座区分:
前期
その他:
補足:
-
【講座内容】
田沼意次は、享保4年(1719)江戸に生まれ、知行600石の旗本から5万7000石の大名・老中にまで出世した生涯は、毀誉褒貶相半ばする人物である。
一方でワイロ汚職の悪徳政治家、他方で斬新な経済政策を推進した革新的政治家、まったく相反する評価を受けてきた。
講義では、①江戸時代から現在までの田沼意次とその時代の評価、②18世紀江戸幕府の権力構造と意次の権力の関係、③田沼時代の財政経済政策を前期と後期に分けて考えてみたい。
【講座スケジュール】
第1回 2025年05月07日(水) 田沼意次と田沼時代の評価の歴史
田沼意次への相反する評価は江戸時代からである。圧倒的に多いのはワイロ汚職の悪徳政治家との評価だが、それとは異なり「豪傑」と評価した川路聖謨を取り上げる。近代になり悪徳政治家像を定説化した三上参次、ワイロ汚職と積極的な経済政策の両面を論じた辻善之助、清廉で革新的経済政策を推進した政治家と評価した大石慎三郎の説を紹介する。
第2回 2025年05月14日(水) 田沼意次の権力掌握のみちのり
田沼意次が強大な権力を振るうことができた理由は、将軍の側近である小姓・御用取次・側用人として厚い信任を勝ち取り、それを背景に側用人と幕政トップの老中を兼ねたところにある。これは、17世紀末元禄時代からの柳沢吉保、間部詮房・新井白石、大岡忠光と続く、側用人が権力を振るう幕府の権力構造と深く関係していたことを説明したい。
第3回 2025年05月21日(水) 田沼時代の経済政策(1)
積極的、革新的政策と評価される経済政策には、享保改革の年貢増徴策を軸にした財政経済政策の行き詰まりが背景にある。田沼時代には、発達してきた商品生産、流通、金融に財源を求める、運上・冥加金賦課政策への転換がある。幕府利益を追求する政策の推進には、経済財政政策を担う勘定所の肥大化と内部での特異な出世競争があったことを紹介する。
第4回 2025年05月28日(水) 田沼時代の経済政策(2)
天明(1781~1789)に入ると、田沼意次は幕府の全権を掌握した。そのもとで、印旛沼干拓工事、ロシア交易と蝦夷地開発、御用金政策、貸金会所(仮称幕府銀行)設立構想など、大胆かつ斬新な政策を打ち出した。しかし、大胆な経済政策は山師的な危うさもあり、人々から深刻な疑念と反発を招いてことごとく失敗に終わり、田沼意次の失脚に結果した。
単位数:1単位
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
名前 | 藤田 覚 |
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肩書き | 東京大学名誉教授 |
プロフィール | 東京大学史料編纂所教授、同大学院人文社会系研究科教授を経て、現在は東京大学名誉教授。専攻は日本近世史。主な著作として『幕末から維新へ』(岩波書店)『勘定奉行の江戸時代』(ちくま新書)『幕末の天皇』(講談社選書)『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』(岩波書店)、『光格天皇』(ミネルヴァ日本評伝選)。2022年5月に『インテリジェンス都市・江戸』(朝日新書)、同年7月に『遠山景晋』(吉川弘文館)を上梓。 『近世後期政治史と対外関係』は第28回角川源義賞を受賞。 |
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