学内講座コード:2431T007
この講座について質問する主催:
東京都立大学オープンユニバーシティ [ 東京都立大学 飯田橋キャンパス (東京都) ]
講座名:
江戸幕府の政治と根回し
申し込み締切:
2024年10月27日 (日) 23:30
開催日時:
2024年11月6日(水)~2024年11月27日(水)/18:30~20:00
入学金:
3,000円
受講料:
10,100円
定員:
15名
講座回数:
4回
講座区分:
後期
その他:
補足:
-
【講座内容】
ある事柄を決めるにあたり、事前に当事者たちが内々で何回かやりとりしておおむね合意し、表の場に持ち出されると、すでに内々で合意済みなのでスムーズに決まる。正式の会議や書類の提出などは、一連の儀式かただの手続きのようなものである。舞台裏にこそ真実がある。江戸時代の政治や社会においても、そのようなしくみの「根回し」は常識だった。「根回し」が、江戸幕府の政治、行政に日常的、構造的に組み込まれていたことを、四つの具体例を通してみてみたい。
【講座スケジュール】
第1回 2024年11月06日(水) ●幕府と大名(藩)①
岡山藩主池田綱政は、元禄9年(1696)に、従四位下・侍従から少将に昇任した。すんなりと昇進が実現したわけではなく、当時の幕府の最高実力者である側用人柳沢吉保への内願を繰り返した。その指導をうけ、内願書の添削までうけてやっと実現した。その経緯を紹介したい。
第2回 2024年11月13日(水) ●幕府と大名(藩)②
弘前藩津軽家は、文化7年(1810)に、参勤交代や江戸城への登城・下城の行列のさいに牽き連れる馬の鞍に、虎の皮の鞍覆を普段から使用することを幕府から許された。許可を得るために繰り返し幕府に内願したが許されなかったが、出入り関係のある小人目付の示唆をうけた内願書を作成して提出すると許可された。
第3回 2024年11月20日(水) ●幕府と幕臣
幕府の人参製法所の責任者を務めていた田村藍水の息子元長は、安永元年(1772)に一〇代将軍家治に御目見を済ました。田村家の後継者として将軍から認知される儀式であるこの御目見が実現する経緯と、その間にやりとりされた文書は、江戸幕府行政のあり方をよく伝えている。
第4回 2024年11月27日(水) ●幕府と朝廷
十一代将軍家斉は、文政10年(1827)に、現職将軍として日本史上初の太政大臣に昇進した。この異例の昇進が実現した経緯を子細に見てゆくと、幕府と朝廷の間でも根回しが行われ、茶番劇あるいは猿芝居が演じられていたことがわかる。
単位数:1単位
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
名前 | 藤田覚 |
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肩書き | 東京大学名誉教授 |
プロフィール | 東京大学史料編纂所教授、同大学院人文社会系研究科教授を経て、現在は東京大学名誉教授。専攻は日本近世史。主な著作として『幕末から維新へ』(岩波書店)『勘定奉行の江戸時代』(ちくま新書)『幕末の天皇』(講談社選書)『泰平のしくみ 江戸の行政と社会』(岩波書店)、『光格天皇』(ミネルヴァ日本評伝選)。2022年5月に『インテリジェンス都市・江戸』(朝日新書)、同年7月に『遠山景晋』(吉川弘文館)を上梓。 『近世後期政治史と対外関係』は第28回角川源義賞を受賞。 |
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