学内講座コード:”2211T012
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主催:
東京都立大学オープンユニバーシティ [ 東京都立大学 オンライン講座 (オンライン) ]
講座名:
鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学
申し込み締切:
2022年05月25日 (水) 23:30
開催日時:
6月4日(土)~6月25日(土)/10:00~11:30
入学金:
3,000円
受講料:
10,100円
定員:
30
講座回数:
4回
講座区分:
前期
その他:
補足:
-
【講座内容】
ほんの少し前まで、日本列島に住まう人びとは「鳥食の民」であった。
こう表現すると、多くの日本人は驚くことでしょう。そして、いや「魚食の民」だ、とすぐさま反論したくなることでしょう。確かに、世界的にも有名な鮨や刺身を例に挙げるまでもなく、日本の料理「和食」のなかで、魚は高い地位を占めています。
しかし、実はかつての日本において、政治や経済、社会、儀礼などをめぐって、野鳥は魚やほかの動物たちには見られないような、複雑で高度な文化複合体を形作っていたのです。そして、今ではほとんどニワトリしか食べない日本人は、かつて驚くほどの多種類の野鳥を食していました。
古代の天皇や貴族をはじめとして、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康、そして江戸幕府の歴代将軍や大名といった権力者たちは、野鳥を自ら狩るとともに、その獲物を積極的に食べ、人びとに分け与えていました。中・下級の武士たちは雁鍋や鴨鍋を楽しみ、裕福な町人は料亭で野鳥料理に舌鼓をうち、庶民は鴨南蛮や雀焼といった素朴なファストフードを頬ばりました。そして、野鳥をめぐって高度な流通機構が発達し、一方では闇取引も行われるほどでした。しかし、江戸時代に隆盛を極めたこの食文化は、明治以降、一気に衰退してしまいます。そして今、数千年の歴史をもつ野鳥を食べる伝統文化が、日本から消えようとしています…。
本講座では、今では不思議なくらいにすっかり忘れ去られてしまった日本の野鳥の食文化が、今では想像もできないくらいに大きな発展を遂げ、多彩な野鳥料理が食べられ、その味が庶民にまで届いた様相を、鳥食文化の爛熟期である江戸時代の「江戸」を中心に紹介します。
『鷹将軍と鶴の味噌汁』(講談社選書メチエ)
『人と動物の日本史』(吉川弘文館)
『修験がつくる民族史』(日本歴史民俗叢書)
『パブリック・ヒストリー入門』(勉誠出版)
【講座スケジュール】
第1回 06-04 10:00~11:30
第2回 06-11 10:00~11:30
第3回 06-18 10:00~11:30
第4回 06-25 10:00~11:30
【対象者】
一般の方・大学生・高校生
単位数:1単位
※定員の充足状況の変化で、締切前でも受付終了・開講中止等になる場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
名前 | 菅 豊 |
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肩書き | 東京大学 東洋文化研究所 教授 |
プロフィール | 博士(文学)。 国立歴史民俗博物館助手、北海道大学文学部助教授、東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授などを経て、現在、東京大学東洋文化研究所教授。専門は民俗学。 日本と中国をフィールドに、地域社会における自然資源や文化資源の利用や管理のあり方、コモンズ論、無形文化遺産の管理論、伝統文化のトランス・ナショナリズムなどについて民俗学の方面から研究している。また、パブリック・フォークロア(公共民俗学)、パブリック・ヒストリー(公共歴史学)、ヴァナキュラー文化に関する理論研究も行っている。 『パブリック・ヒストリー入門』(勉誠出版)など著作多数。 2021年8月に『鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学』(講談社選書メチエ)を上梓。 |
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